~焼入れ焼戻し~浸炭焼入れ焼戻し

こんにちは。石川県小松市で創立80周年を迎えた曽田製作所です。

 鋼材全体ではなく、表面のみを硬くするための焼入れ・焼戻しを見ています。表面のみを硬くすることで、中は粘り強く(衝撃に強い)、表面は硬く(摩耗に強い)の性質を得ることができます。表面硬化の熱処理方法には、物理的な熱処理と化学的な熱処理の2種類があります。物理的熱処理では、鋼材の表面に焼入れ・焼戻しを行い、表面層のみを硬化させます。化学的な熱処理では、鋼材に元素をしみこませて化学的な性質を変化させることで硬化させます。物理的熱処理は焼入れ・焼戻しの一形態であるといえます。

 前回・前々回は、物理的な硬化方法である高周波焼き入れ、火炎焼入れについてご説明いたしました。今回は、化学的な熱処理についてみていきます。表面の化学成分を変え、表面を硬くする方法が科学的熱処理です。代表的なものには、浸炭焼入れと窒化処理があります。
 
【浸炭焼入れ焼戻し】
 浸炭焼入れ焼き戻しは、主に炭素量が0.3%以下の鋼材に行う焼き入れ方法で、肌焼鋼とも呼ばれます。低炭素(0.3%以下の炭素量)の鋼材を加熱炉に入れ、その後、炉に炭素を侵入させて、表面を高炭素状態にします。この操作を浸炭といいます。浸炭焼入れには固体浸炭、液体浸炭、ガス浸炭の3種類があります。いずれも外から炭素を表面に侵入させるのです。浸炭を行うことで、耐摩耗性を高めることができます。

 浸炭焼入れ焼き戻しで最も用いられるのはガス浸炭です。操作が他に比べて簡単で扱いやすいということが一因にあげられます。ガスはメタンガスやプロパンガスを用います。ガスの濃度や温度を操作することで期待通りの硬さと焼入れ深さを得ることができます。鋼材の量産焼入れ等にむいている方法です。

 浸炭焼入れ焼き戻しは、鋼材がオーステナイト結晶になる約930度付近まで加熱します。その後、表面の炭素量を0.8%程度にした後、焼入れを行いマルテンサイト結晶にします。焼き戻しも必ず行います。

 浸炭処理を行った鋼材は、表面が硬く内部が軟らかい状態になるため、耐摩耗性、耐疲労性に優れています。

お時間がございましたら、弊社のホームページもご覧ください。
http://sodaseisakusyo.co.jp/