~焼入れ~焼入性について

 前回より「焼入れ」について詳しくお話ししています。前回は、焼き入れの為の冷却媒体について、お話ししました。焼入れのための冷却は、昔は「水」のみでしたが、現在では油、フォリュブル、ガスなど、様々な媒体が登場してきています。最近では焼割れ・焼き入れ時の変形などを防ぐため、「おだやかに冷やす」「ゆっくり冷やす」ことに重きがおかれているようです。
 
 今回は、焼入性についてお話していきます。
 
 焼入性とは、鋼材に焼入れしたときに、より硬くなりやすい(焼が入りやすい)ことを表す性質のことをいいます。分かりやすくいうと、焼入性は「どのくらいの深さまで硬さが入るか」ということなのです。焼入性は、焼入れ深さと焼入れ硬さという2つの指標ではかることができます。
 
 焼入れ性が良いというのは、より深くまで硬化されているということです。
 
【焼入れ深さ】
 表面からどのくらいの深さまで焼きが入るか(硬くなるか)ということです。炭素鋼は深くまで焼きが入りにくい、つまり焼入れ性が悪い材料です。反対に、焼入れ性の良い元素は深くまで焼きが入ります。鋼材に添加する合金によっても焼入れ性は大きく違ってきます。
 焼入れ性が良くなる元素としては、ホウ素・マンガン・モリブデン・クロムなどの合金元素があげられます。反対に、焼入れ性を悪くする元素も存在します。コバルト、バナジウム、チタンなどは焼入れ性を悪くします。
 焼入れ深さは、焼入れ硬化層深さともよばれます。

【焼入れ硬さ】
 表面の硬さを見るのが焼入れ硬さです。表面がどれだけ硬くなるか、ということです。焼入れ硬さは、鋼材の中の炭素量によって決まります。

 焼入れ性は、鋼材に含まれる炭素の量、合金の量、などによって決まります。また、鋼は加熱するとオーステナイト結晶と呼ばれる構造に変化しますが、焼入れを行うことでマルテンサイト結晶に変態し、硬くなります。マルテンサイトに変態しやすいと、硬くなりやすい(硬化しやすい)といえます。オーステナイト結晶からマルテンサイトに変態しやすさによっても焼入れ性が決まります。

 焼入れ性を確認する方法として、「ジョミニー試験」という方法が用いられています。鋼材が硬くなると、強度が劣化する恐れがあります。焼き入れ性を確認することはとても重要なことなのです。

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