~焼入れ焼戻し~高周波焼入れ焼戻し

 こんにちは。石川県小松市で創立80周年を迎えた曽田製作所です。

 今まで「焼入れ」「焼戻し」について詳しく見てきました。今までの焼入れ・焼戻しは、鋼材全体の硬さや粘り強さを調節するための操作でした。より目的にあった性質を得るため、加熱温度や冷却媒体、環境などを試行錯誤で変化させてきました。
 
 今からは、鋼材全体ではなく、表面のみを硬くするための焼入れ・焼戻しを見ていきましょう。表面のみを硬くすることで、中は粘り強く(衝撃に強い)、表面は硬く(摩耗に強い)の性質を得ることができるのです。以前、こちらで、簡単にご説明いたしました。
 
 表面硬化の熱処理方法には、物理的な熱処理と化学的な熱処理の2種類があります。物理的熱処理では、鋼材の表面に焼入れ・焼戻しを行い、表面層のみを硬化させます。化学的な熱処理では、鋼材に元素をしみこませて化学的な性質を変化させることで硬化させます。物理的熱処理は焼入れ・焼戻しの一形態であるといえます。
 
 以前ご説明した中で、高周波焼入れ、火炎焼入れは物理的な硬化方法です。また、浸炭処理、窒化処理は科学的な硬化方法になります。
 
 今回は、高周波焼き入れをさらに詳しく見ていきましょう。
 
【高周波焼入れ焼戻し】
 鋼材を高周波を使って高温加熱し、急冷した後低温焼き戻しを行うことで表面を硬くします。鋼材に高周波誘導のコイルを巻き付け、電流を流して磁界を発生させます。金属の電気抵抗により熱を発生させて焼入れを行うのです。
 電流の周波数の違いによって、焼きの入り方が決まります。周波数が高いと浅く焼きが入り、周波数が低いと深くまで焼きが入ります。

 高周波焼入れ焼戻しの特長として、①直接加熱するため熱効率が良く、短い時間で焼入れを行うことができるため、作業効率が良い。。②表面にむらなく焼きを入れることができる。また、焼入れの深さを調節しやすい。③急熱・急冷のために表面に残留応力が生じ、耐疲労性にも優れている。また、酸化や脱炭、焼入れ変形なども少ない。④ある部分のみに焼入れするなどといったことが可能になる。ことがあげられます。

 高周波焼入れのためのコイルは、材料の寸法、形状に適したコイルの作成が重要になってきます。コイルの選定は経験的な要素が多く含まれるようです。

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