~焼ならし~

こんにちは。石川県小松市で創立80周年を迎えた曽田製作所です。

 焼入れ、焼き戻し、さらには表面のみを硬くするための特別な焼き入れ、そして、焼きなましについて、詳しくお話してきました。今回は、「焼ならし」をご説明いたします。以前こちらで、焼ならしの種類についてお話しいたしました。今回は、焼ならしの目的など、さらに詳しい焼きならしについて見ていきます。
 
 焼ならしは、normalizing(ノーマライジング)と呼ばれます。nomalizeは、標準に戻す、正常化するという意味があります。鋼材にある程度の柔らかさ、粘り気の両方を与えることができます。炭素濃度が約1%以下の鋼鉄に対して行われるようです。
 
 焼ならしは、次のような目的をもって行われます。
 
【組織の均一化、微細化、残留応力を除去】
 鋳造、鍛造、圧延などが行われた鋼材は、内部の結晶の粒の大きさがバラバラで、残留応力も存在しています。焼ならしを行うことで、結晶の粒を細かく均一にして、残留応力を除去することができます。オーステナイト結晶と呼ばれる構造(面心立方格子)に変化する温度+50度程度まで加熱し、そのまま空冷します。
 
 ところで、焼ならしによる新しい熱応力が発生する可能性があります。(焼入れ時に起こりがちな、変態応力は発生しません。)新たな熱応力の解消のために、応力除去焼きなましや二段焼ならしを行う場合もあります。
 
【被削性を向上させる】
 低炭素(0.1%~0.3%程度)の鋼材では、焼きなましを行うことで鋼材が柔らかすぎになってしまう場合があります。削除加工の場合、むしれ(ささくれ)が生じて切削面が綺麗になりません。
 その場合は、焼きなましではなく焼ならしを行います。焼ならしの方が結晶粒が小さくなり、焼なましに比べて若干硬くなるため、被削性が向上します。
 中炭素の鋼材では完全焼きなましが、高炭素の鋼材には球状化焼きなましが適切とされています。
 
【焼入れの前処理】
 焼入れする前に焼ならしを行うことで、焼入れ時の鋼材の結晶のオーステオナイト化を促進させることができます。大型の鍛造品などでは、焼き入れ焼きもどしで性能の改善が見られない場合があります。そのようなときに焼ならしを行うことで、望む硬さを得ることができるのです。

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