熱処理の問題点「焼き入れ変形」

これからしばらく、熱処理で発生する問題点、代表的なトラブルについてお話していきます。

[焼き入れ変形]
 焼き入れとは、素材の調質で行われる熱処理であり、金属を加熱した後に急に冷やす操作のことをいいました。金属を硬くする効果が期待できます。さらに詳しくは以前、こちらに書きました。
 金属加熱の後、水や油に入れて急冷するわけですが、この時、寸法が思った通りのものにならなかったり、又、金属そのものが変形したり曲がったりする場合があります。

 金属は、熱を加えることで、フェライト結晶からオーステナイト結晶になり、焼き入れすることで、体心立方格子の中に炭素を取り込んだマルテンサイト結晶になります。この、マルテンサイト結晶になる際に、一部、オーステナイト結晶が残ってしまうことがあります(残留オーステナイト)。この残ってしまったオーステナイト結晶が「加工誘起マルテンサイト変態」を引き起こし、金属の変形や割れ等になってしまうのです。
 残留オーステナイトの量によっては、金属の寸法が変化してしまう場合もあります。
 
 これらの焼き入れ変形を防ぐためには、冷却する時の処理がポイントです。均一に冷やすこと、おだやかに冷やすことが最近の主流となっているようです。昔は水や油で冷却していましたが、最近ではガスやナトリウムによる冷却が用いられることもあります。
 
 また、焼き入れ変形のための対策としては、応力解放やひずみ取りの熱処理、高温焼き戻し、安定化処理なども有効です。

お時間がございましたら、弊社のホームページもご覧ください。
http://sodaseisakusyo.co.jp/

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