~焼入れ~冷却液について

 今まで熱処理の基本についてみてきました。
 今回からしばらく、少しお話を戻しまして、「焼入れ」「焼戻し」「焼きなまし」「焼ならし」をさらに詳しくご説明していこうと思います。
 それでは焼き入れからみていきましょう、。

 焼き入れとは、「鋼材を加熱した後に急冷することで、硬くする」作業のことでした。こちらにもありますのでご覧ください。今回は、焼き入れをさらに詳しくみていきます。
 
 焼き入れのための冷却は、昔は「水」と相場が決まっていましたが、最近では、様々な冷却方法が存在しています。冷却の温度、スピードによって鋼材の性質が決まるため、その鋼材に合った性質を求めるために様々な冷却方法が考案されています。「クエンチ」とは「焼き入れ時の冷却」のことをいいます。

・水冷
・油冷
・ソリュブルクエンチ、ポリマークエンチ
・ガス冷却
・ナトリウム冷却(ソルトバス(塩浴焼入れ))

【水冷】
 焼入れで使用する水は、20度から40度の範囲の温度(だいたい人肌前後)で使用します。40度以上の水では、冷却の速度がゆっくりとなり、理想の硬さが得られません。冷たい方がより硬い性質となります。鋼材を水に冷たくなるまで放っておくと、焼割れを起こす場合があるので、途中で水冷を終了して引き上げるなどの調節が行われます。

【油冷】
 焼入れで使用する油は、60度から150度の範囲の温度で使用します。油は温度が高いとサラサラしています。冷たい油は粘性も高く、べっとりした状態となります。粘性の高い、冷たい状態では冷却速度が遅くなり、サラサラした温かい油では冷却速度が速くなります。約120度以上の温度の油は、ホットクエンチオイルと呼ばれます。(低温の油はコールドクエンチオイル、中温はセミホットクエンチオイルです。)
 油冷後は後処理が必要となります。鋼材が油まみれになっているためで、油切と洗浄が必要になります。

【ソリュブルクエンチ】
 ソリュブルクエンチは、水溶性熱処理剤を用いた冷却方法です。水溶性であり、熱処理剤の濃度を自在に調節することで意図する冷却速度とすることができます。

【ガス冷却】
 ガスは、焼き入れのための加熱方法として用いられることもありますが、冷却の際にもガスを使用することがあります。ガス冷却で用いられるのは、通常は窒素ガスです。大量の窒素ガスに圧力を加えた(加圧)状態で炉内に入れて冷やす方法は特に「加圧冷却」と呼ばれます。脱炭を防ぐ方法として用いられます。

【ナトリウム冷却】
 塩化カリウム、塩化ナトリウム、亜硝酸ナトリウムなどを原料とするソルト液の中で冷却する方法です。ソルト液が保護膜となり、脱炭を防ぐ焼き入れ方法として用いられます。

 これらの冷却方法は、水が最も早く冷え、下にいくにしたがってゆっくりと冷えるようになります。焼割れ・焼き入れ時の変形などを防ぐため、最近ではゆっくりと冷やす方法が主流となってきているようです。

お時間がございましたら、弊社のホームページもご覧ください。
http://sodaseisakusyo.co.jp/
 

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