~焼戻し~焼戻し温度

 今まで「焼入れ」について詳しくお話ししてきました。前回は質量効果とサブゼロ処理についてご説明しました。今回からは「焼戻し」をさらに詳しくご説明していきます。

 焼戻しとは、「焼入れした鋼材を再加熱して落ち着かせる」作業のことでした。こちらにもありますのでご覧ください。今回は、焼戻しをさらに詳しくみていきます。

 焼戻しは、焼入れとセットでの作業になります。焼入れ後すぐに焼戻しを行うことが理想です。そうでないと焼割れを起こす場合があります。焼戻しは焼入れ後3時間以内に行い、また、30分から2時間程度焼戻しを行うことが必要です。

 焼戻しには温度の差により「高温焼戻し」「低温焼戻し」「中温焼戻し」に分類されます。それぞれをご説明していきます、。

【高温焼戻し】
 鋼材を550度から650度前後の温度で焼戻します。通常、現場で「調質」というと、この高温焼戻しのことをいいます。高温焼戻しは、2回以上焼戻しを行うことが一般的です。1回目の焼戻しで鋼材内に残っている残留オ-ステナイト結晶をマルテンサイト変態させ、2回目の焼戻しで理想の状態(硬さや性質)を得ることができるのです。硬化用では必ず2回以上焼戻しを行う必要があります。

【低温焼戻し】
 鋼材を150度から200度前後の温度で焼戻します。低温焼戻しは内部応力は約半分消失(つまり、約半分は残留のまま)します。焼入れ時の硬さがある程度残りますが、もろさが無くなり摩擦に強くなります。硬さと耐摩耗性が必要な工具類やゲージ類等は低温焼戻しを行います。
 低温焼戻しも通常2回以上焼戻しを行うことが理想的です。特に、焼入れ時の残留オーステナイト結晶量が多い鋼材等は2回以上焼戻しを行うことで確実に理想の性質が得られるようになります。

【中温焼戻し】
 バネもどしど呼ばれるものです。バネやぜんまい、木工のこぎりなどを約400度から550度の温度で焼戻しします。高温焼戻しと低温焼戻しの両方の特性を引き出します。

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